プロ野球の話ですが、オリックスの後藤選手と楽天・鉄平の1対1のトレードが今月の19日に発表されました。
オリックスは昨年の新選手会長・大引に続いて、今度は生え抜きのチームリーダー後藤を放出。
外野手が欲しいチーム事情もあるでしょうが、抜本的な変革が急がれていることは森脇監督の言葉からもわかります。
「本当の意味でチームを変えるには、トップ15人を変えなければならない」
近鉄ドラフト2位指名選手。その後は広島、南海と渡り歩き、便利屋として活躍。
引退後はホークス、巨人、オリックスで豊富な指導者経験を持ち、球界の草刈正雄と呼ばれるルックスを持つ森脇監督ではあるが、球団は今年で5年連続のBクラス。
球団もファンも待ってはくれません。
チームを強くする云々の前に、チームの意識、姿勢を変革することからはじめなければならない状況とも言えるでしょう。
オリックスのファンからすると、生え抜きの選手が他チームに行くのは悲しいもの。
「トップ15人を変えなければならない」という発言は刺激的なもので、結果の出せていない森脇采配に苦言を呈する人も少なくないでしょう。
しかし、このような変革とも言えるチーム編成は、ビジネスの世界でも見られるものです。
変化の激しいネットビジネスの世界などでは、めまぐるしく変わる状況に機敏に対応するため、頻繁に人事異動を行います。
ある企業では、皆が頼りにしているエース社員を躊躇なく異動させます。
すると、残されたチームのメンバーたちは、穴を埋めるために必死で仕事をし、次のエースが生まれます。
常に甘えられない状態におくことで社員たちを育てる、一流の人材育成術です。
プロ野球の各チームには主力と言われる選手が何人かいますが、冷静に見てみるとこれまでの実績がその評価の対象となっていることが多いもの。
しかし、現役期間の限られるスポーツ選手において、その下り坂が突如としてやってくることもあります。
主力選手の移籍は、一見戦力ダウンにも見えますが、次代を見越しての采配でもあります。
そして、調子を落としていた主力選手にとっても移籍によって才能がまた光を放つことがあるのです。
重要なことは、どの次期に視点をおいて組織作りを行うかということでしょう。
セ・リーグでは、低迷の続いたドラゴンズに落合氏がGMとして戻ってきました。
すでに抜本的な改革が見られますが、ファンからは賛否様々な声が。
それでも期待したくなるのがオレ竜采配。
「若手育成を行わない」とも言われた同士の采配ですが、来シーズンが非常に楽しみでもあります。