今週末、いよいよプロ野球も2012年のペナントレースが開幕!
大型補強に成功した巨人に注目が集まるが、野球の魅力の1つは、そんな個の力を活かすための采配、そしてチームワーク。
私個人としては、阪神の和田新監督がチームワーク向上のための施策をキャンプでも幾つか試しており、その結果も楽しみに感じています。
チームワークというのは、スポーツの世界だけの話ではありません。
もちろん、企業においても、職場においてもそれは欠かせないものであり、管理職の役割の1つはチームワークの向上にある。
さて、この何気なく使っている「チームワーク」という言葉だが、教育学者の古川久敬氏によると「チームワーク」には3つのレベルがあるという。
競争環境が激しさを増し、各企業ではイノベーションや変革が強く求められるようになりました。
そのような中で、チームワークのレベルも、上記のレベル3にあたる創発的な関係が求められています。
相互刺激のある職場を意図的に生み出し、個人では生まれないような新たな知恵やサービス、目標などを生み出そうとする動きが、再燃してきたように感じます。
時と場所を選ばずに気軽に集まり、職位にとらわれず、徹底的に議論する、ホンダの「ワイガヤ」がその代表例でしょう。
ホンダは、本田宗一郎氏亡き後、「自由闊達」な企業文化を継承し、天才の力に 頼らず「新しい価値」を生み出し続けなければなりませんでした。
そこで、考え抜かれた末に生まれたのが、手法であり文化にあたる、この「ワイガヤ」です。
このホンダに始まり、現在では多くの企業で導入された実績のある、「ワイガヤ」だが、なかなか成果を生み出せずに、いつの間にか消えてしまった、形骸化してしまったというケースが多いようです。
「ワイガヤ」を初めとする創発的な職場は、「“個々の自発性が全体の秩序を生み出す”という自然界の性質を経営に取り入れよう」というねらいから生まれまたものです。
「ワイガヤ」によって新たな価値を生み出すためには、1人ひとりが強い「想い」を持ち、そこでの発言・発想が、阻害されることなく、膨らまされることが大切です。
ただ、議論の機会を与えるだけでなく、その議論を深める「仕組み」と「スキル」もまた、そこには必要となってきます。
ただ「自由に話してください」と場とテーマを設定するだけではなく、ゼロからそれを生み出すためには、個々の“想い”を喚起することと活性化させる“仕組み”“仕掛け”づくりが不可欠です。
そして、その場を単なる発散の場としないためにも、出てきたアイデアや価値が経営に受け入れられ、形に結びきます。
そこまでの流れを見越して設計していくことが重要です。