「組織を変えていきたい」と大きな視点でのコンサルティング依頼が多くなりました。
経営者の方に話を伺うと、課題がズラリと並ぶことも珍しくはありません。
そして、「それだけ課題があるにもかかわらず、誰も動こうとしない。自分事と考えていない」という声も聞くことが多いものです。
ジョン・コッターの提唱する≪組織変革8つのプロセス≫の1つ目に、組織の「危機意識を高める」というものがあります。
危機意識を高めるとは、「変えていかなければ」という気持ちにさせるという意識を個々に持たせるというものです。
当事者意識とも言い換えられるかもしれませんが、危機意識はある程度は必ず必要なものです。
しかし、過度な危機意識は時として変革の足枷ともなります。
組織に属するメンバーの「変えていこう」という気持ちを減退させてしまうことがあるのです。
どのような状況にあろうとも、変化への前向きさを生まなければ、否定的な言葉が飛び交って終わってしまいます。
まずは、変化の余地・余力があること、変化の先に理想の状態があることを変革メンバーが認識することが大切です。
私たちはコンサルティングの序盤で現状分析を行う際には、改善すべきことだけでなく、うまくいいていることにも着目します。
それによって、変化への前向きさを生み出します。
さらに、うまくいっている理由にまで目を向けることで、ボトルネックを改善するヒントが見つかる場合もあるのです。
一年が終わろうとするこの時期。
向上心が高い人ほど、「ああすれば良かった」「もっとこんなこともできた」と反省の色が強くなるかもしれません。
もちろんその姿勢は重要ですが、うまくいったこと、新しくチャレンジしたことにも目を向けることで、来年の仕事始めがより楽しみになっていくかもしれません。
本年も本ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。