私事ですが、アルティメットというスポーツをやっています。
アルティメット、初耳の人も多いですよね。
かなり端折って言うと「フリスビーでアメフトをやる」ようなスポーツです。
学生時代から続けていて、その大会が3月14、15日とありました。
結果は、、、まぁ置いておいて。
改めて、すごく良いチームメンバーに恵まれたなと再認識した2日間でした。
1試合7対7で行うスポーツで、私たちのチームは16人。
試合で全力を出すということもさる事ながら、何よりも試合以外の部分でもチームに貢献しようとする姿勢。
それを、一人ひとりから感じました。
宿の手配、食事の手配。
他チームの情報共有、スケジュールの確認。
備品管理、ドリンクの用意。
諸々の連絡。
そして、ゴミの片付け。
そういう地味なことを率先してやろうと思ってくれる人たち。
もちろん、キャプテンを中心に役割分担は行われているのですが、お互いを頼りながらも依存しすぎていない。
誰もが自分にできることをやろうという姿勢をもっていることが、チーム運営の根幹となっていました。
あ、かなりカッコ良く言ってますけどね。
で、その時に感じたのが、こういう貢献姿勢を色々な職場で作れたら最高だなということなんです。
職場で、つまり会社で、ということです。
もちろん、アルティメットのチームは好きなことをやるために集まっている集団です。
会社とは前提条件が違います。
ただ、人間関係・協力関係がうまくいっていない組織というのは、お互いに求めることが先に立っていることが多い気がするのです。
大事なのは、相手に何かを求めるのではなく、自分がどう貢献できるかということからスタートすることなのではないかと。
ものすごく当たり前の事を言ってます。
でも、意外とこれができていない。
お客様の現状把握のため、社員インタビューをしていると、経営者と社員、上司と部下で不和が起きているときというのは、お互いに求めることからスタートしていることがほとんどです。
「上司なんだから、もっとしっかりマネジメントして欲しい」という部下がいる。
「もっと会社のことを考えて、行動して欲しい」という上司もいる。
双方の言い分はわかるのですが、結局相手に求めてばかりなんですよね。
「あの人は自分のことしか考えていない」と双方が思ってしまい、信頼関係の綻びは広がってしまいます。
ちょっと前まで、
「人の貢献意欲を高めるには、
・共通の目的があること
・お互いを知ること(バックボーン・人となり・夢)
・違いを尊重し合うこと
の3つが重要!」
なんて私は思っていました。
でも、これも「お互いに」「し合う」なんて思っている時点で、相手に求めていることからスタートしてしまっているんですね。
そうなると、結局前に進まない。
こんなまどろっこしいこと考えずに、「自分が組織貢献できることは何か?」。
これだけ考えて行動することが大事なのではないかと思うようになりました。
相手に求めることからスタートしてしまうと、やってくれないことに不満ばかりが大きくなってしまいます。
そういう感情は、行動や態度に出てしまうので、相手も不快な思いがして、やっぱり堂々巡りに。。。
一方、自分の貢献から始まると「あれだけやってくれているんだから、自分も返さなきゃ」という返報性が生まれます。
それに対して、また自分も。
というプラスのサイクルが生まれていきます。
そういう「自分貢献からスタート」の姿勢が、次第に作っていくんです。
人間関係を、働きやすい職場を、そして自分の居場所を。
結果的には組織としての成果が上がっていくとも言えるでしょう。
もちろん、そういう「自分貢献からスタート」の中には、憤りもあると思います。
家族なんてそういう部分が多いと思うんです。
「お母さんがあれだけやってあげているのに、あんたは!!」
っていう『ちびまる子ちゃん』で出てきそうな感情は。
それでも、無意味に求め過ぎるより良いのではないかと思います。
先述の「上司なんだから、もっとしっかりマネジメントして欲しい」っていうのは、もちろん組織上求めるべきことなのですが、一方で上司がマネジメントをできないことを前提に、「自分が組織貢献できることは何か?」と考えると、違う解決策が見えてくるはず。
そもそも、マネジメントにおいて部下から不満の出ない管理職なんて、そうそう出会えない。
たとえ完璧であったとしてもそこから、穴をみつけようとしてしまうのが人間なので。
「自分が組織貢献できることは何か?」から始める。
そして、その貢献が自分にしかできないものであったら、さらにいい。
そんなことを思った、2日間でした。
「自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。
責任をもつがゆえに、自由となる。」
ピーター・ドラッカー 『明日を支配するもの』より