ある韓国人の方と話をしていて、こんな話題に。
「“留学生の日本人為はない発想を求めている”という人事の方が言うことは多いが、実際の現場では変化が求められていないことが多い。
より効率的なやり方を提案すると、“日本ではこうやるもんだから”なんて言われてしまう。」
この言葉だけで、変化や新しい発想が求められる事業環境と、変わることに臆病になってしまう日本人のメンタリティにおけるジレンマを抱える企業が多いことがわかります。
「「留学生積極採用」企業は、異文化を受け入れないという実態」というタイトル。
大げさにも感じますが、事実であると感じます。
留学生を採用したいという背景は下記の3つのいずれかにあてはまります。
1.事業戦略上、留学生の持つ強みが必要であるため
(語学・専門スキル・現地文化への精通)
2.遊んでばかりの日本人学生にはない、勤勉さに惹かれるため
3.日本人にはない新しい視点と、組織に対する刺激をもとめるため
3つ目の理由で留学生採用を考えている企業は少なくないと思いますが、裏を返すと、今の組織には新しい視点をもつ人間がいないということ。
このような状態が“一時的なこと”であることはありえない。
慢性的、企業文化と言える状態になっていると言って間違いないだろう。
社内の人事異動やここの意識変革では、手の施しようがないからこそ、外の力、外からの刺激に頼ります。
そして、そのような慢性的となった保守的な企業文化は外からの刺激、変化を嫌います。
結果として、「新たな発展への起爆剤となる!」ことを期待されて入社した人も、実際は身動きが取れないような状態になり、果ては同じ文化に埋没してしまうことが少なくないのです。
ときには、一次面接で評価されたことが、二次面接では「異端児」と見なされ不採用につながってしまうということもあるかもしれない。
このようなことは私たち組織変革コンサルタントにとっても同じことが言えます。
変革を好む人は多くない。
これまでのことが否定されているかのように感じるためです。
そのため、私たちは組織変革の依頼を頂いた場合に、課題だけでなく「うまくいっていること」「すでにできていること」にも必ず目を向けるようにしています。
組織へ変えたいという話をされる経営者の方は「うまくいっていることは一つもない」と課題感を強く持たれることが多いのですが、小さなことでも良いので、「うまくいっていること」「すでにできていること」とに目を向けること。
それによって、「自分たちを理解してくれている」「受け入れてくれている」と感じられるようになります。
“返報性”という言葉がありますが、人は「受け入れられている」と感じることで、「相手を受け入れよう」と思うようになります。
そして、うまくいている理由も重要です。
「トップダウンだからこそ、意思決定が早い」
「配置転換が多いので、全員が各職場の状況を知っている」
「内製化しているからこそ、試作品をすぐにつくれる」
など、一見当たり前と思っていたことも、その理由に目を向けることで自社の隠れたリソースが顕在化し、時として課題解決の糸口とのなるのです。
私たちはこのような考え方をGOOD&MOREと呼んでいます。
このような話をすると、これから日本企業で働こうと思っている留学生の方にとっては、面接で何を伝えればいいのかわからなくなってしまうかもしれません
そのような時は、「日本企業をGOOD&MOREで語る」ようにしてみてください。
「貴社のこのような点は素晴らしいと感じました。だからこそ、こんな点をさらに良くすると、今後のグローバル展開で大きな優位性を築けると思います。」
客観的に日本企業を見れる留学生だからこそ言えることでもあります。