まだ序盤ということもあり、上位は混戦。
セ・リーグに関しては、現在5位の巨人も息を吹き返しつつあり、これからが楽しみになってきています。
混戦とは言え、4/12現在で、セ・リーグの首位に立っているのが、阪神タイガースです。
しかし、城島・藤井とキャッチャー二人の故障で、磐石とは言えないチーム状況にあります。
それでも、何となくチームの雰囲気が良く見えるのが今の阪神。
「結果が出ているから」「藤川が元気な時期だから」と言ってしまえばそれまでですが、キャンプ中から阪神のこんな雰囲気を何となく想像することができました。
阪神は、和田新監督指導のもと、春のキャンプで一風変わった練習をを行なっていました。
マウンドには野手陣が上がり、投手陣は捕手や一塁、遊撃の守備に、という、“あべこべ”のポジションにつく。
野手と投手が入れ替わることで相手の動きが理解できれば、あらゆる場面でも息を合わせやすいという、投内連携の強化をねらいとしたものでした。
その後、野手陣はブルペンに入って真っ白なボールでピッチング。
それを受けるのも野手。
など、同じ狙いで様々な練習を行なっていました。
昨季4位の阪神は74失策(リーグ4位)。打率.255はリーグトップ。
482得点は同2位も、肝心のところでは点が取れていませんでした。
逆に先制点をあげても、あっさりひっくり返されるゲームもあり、シーズン中盤には投手と野手の間に微妙な隙間風が吹いていました。
タイガース生え抜である和田新監督は、昨年のぎくしゃくしたチームのムードを肌で感じていました。
投手と野手が1つにならなければペナント奪回はない。
「お互いを思いやる気持ち」をしっかり持って欲しい。
しかし、プロの選手達に「団結だ、チームワークだ」と言ったところで鼻で笑われる。
そんな背景から生まれたのが、生まれたのがこれらの練習方法でした。
「お互いを思いやる気持ち」
チームプレーでは、当たり前のように感じますが、プロ野球選手でもできていないことなのです。
それは、当たり前と思っているからこそ、意識されなくなってしまいます。
スポーツだけでなく、あらゆる組織に当てはまることでしょう。
職場においても、「思いやり」「相手の立場に立つ」といったことが、意外と見られなくなってきているのではないでしょうか。
現在のペナントレースでの結果が、これらの練習の成果と言い切ることはできません。
しかし、今季大きな補強をしてはいない阪神にとって、和田新監督率いる新体制のベンチワークと選手同士のチームワークが今後の鍵となっていることは言うまでもないことでしょう。