「得点できない野手を集めてミーティングをすると、呼ばれなかった投手陣は“俺たちは仕事をしているんだ”という気持ちになり、チームとしての敗戦を正面から受け止めなくなる。
このあと、また同じような状況になっても、“悪いのは野手陣だろう”と考えてしまい、ここから投手陣と野手陣の相互信頼が失われていくものだ。」
昨年までプロ野球、中日ドラゴンズを率いていた落合博満氏の言葉です。
監督就任中8年の間、一度もAクラスを逃したことがなく、4度のリーグ優勝と、2007年にはチームを53年ぶりの日本一に導く。
さらには2011年、球団史上初の2年連続のリーグ優勝を果たし、「常勝チーム」へと変貌させた「名匠」とも言われる人物です。
自分の過去を振り返ると、チーム運営で失敗してしまったと、反省する点があり、この言葉にもっと早く出会いたかったと思うことがあります。
私はアルティメットというチームスポーツでチームを率いる立場にいることがありました。
その時はオフェンス・ディフェンスと完全な2セット制にしたチーム運営を行なっていました。
それぞれ個別の目標も決めながら。
各自の責任を明確にし、個々の長所を活かすため、効率の良いチーム運営をするための思いでの方針でしたが、結果的には柔軟性に欠けたこと、そして、2セット間での“ひずみ”が見え隠れしたことも感じました。
組織が大きくなれば、その中に小さな組織が生まれます。
また組織の中でも、個々のメンバーで役割分担がなされることでしょう。
しかし、時にそれが徹底され過ぎると、自分の役割や責任を全うすることが最終的なゴールになってしまいます。
部署間での競争意識を持たせるこことで、情報共有のない関係、良いところを認めず、悪いところを探し合うような関係になり、時には互いに無関心を装うようになってしまうことも。
本来であれば同じ目的のもとに集まった1つの組織であるはずなのに。
目の前の目標ばかりを追いかけ、効率のよい組織作りを進めるあまり、本来の目的、大きな目標を達成するにあたり、非効率ともいえる関係が出来上がってしまうこともあります。
役割や責任を明確にすることは大切ですが、役割分担によって他人事感覚を作ってはいけません。
当事者意識の元に、役割分担をしていかないと。
責任の所在を定め、自己の役割明確にすることは重要です が、一見非効率とも思えるミーティングや柔軟な体制も、組織 づくりにとって重要な要素です。
(敵チームのマスコットも引き込む落合氏)
つば九郎 「落合さんっ、牛丼買ってきました!」