先日のブログで、上司の報告の受け方が、新人の「主体性のなさ」や「指示待ち」の姿勢を生み出していると述べました。
しかし、一方で、若手社員の指示の受け方にも、問題意識というか、 違和感を持つことがあります。
どんなことかと言うと、指示受けの時に「質問が少ない」ということ。
「わかりました」
「え!? それだけでわかったの?」と、こちらが確認したくなるくらい、あっさりとした返事が返ってきます。
もちろん、理解力が高い場合や、意思疎通が履かれている関係であるならばいいのですが、、、報告時に、期待したものと違う成果物が できあがってきてしまうことが少なくないようです。
上司 「何これ?イメージが全然違うよ~。やり直して」
部下 「え、そうなんですか?(それはなら初めから言ってくれ!)」こん
なやり取りがあっても、なお“あっさり風味”の返事が返ってきます。
「わかりました」と。
この“あっさり風味”の返事のには、どんな背景があるのでしょうか。
私なりに、次のようなパターン分けしてみました。
①本当に理解力が高い人
②全く頭に入っていないので、「わかりました」というしかない人
③「できない」と思われたくないから、わかった風を装ってしまう人
④自分本位に理解したと思い込んでいる人
①の人はいいとして、うん、そのまま伸びてください。
②③は問題だけれども、これは新入社員にはよく見られる光景。
若手の登竜門にも感じます。
新入社員というモラトリアムを過ぎてもこうであるならば、半分は上司のマネジメント力に問題があると考えたほうがよいでしょう。
ここで、言及したいのは④の人です。
「自分本位に理解したと思い込んでいる人」
これは、新入社員の時期というよりも、仕事を一通り覚えた若手社員に特に言えることです。
自分の経験から、依頼者の期待を推測できることは素晴らしいことです。
しかし、感じることは、自分のできる範囲、都合のよいレベルでの成果物に留めておきたいという気持ちが働き、あえて必要以上の情報を収集せずに、「わかりました」と指示受けを終わらせている若手社員が少なくないのではないかということです。
相手の期待を推測する、もしくはそれを越えよとするには、情報が必要です。
その情報を取りにいかないことで、
「知りませんでした」
「そこまでの指示はもらっていませんでした。」
と答えることができます。
しかし、若手社員に求められることは、「10」依頼されたら、「11」の成果を生み出そうとする姿勢です。
そのためには、相手の期待を理解するための質問・確認が必要になります。
なぜなら、依頼者も「そのくらい、わかっているだろう」という相手への依存があることはさることながら、自分の期待している成果をイメージ しきれずに、依頼しているケースが多いためです。
だからといって、指示受けの際には、「相手との共通認識が持てるまで、質問を続けろ」と言うつもりはありません。
言外の言葉を想像すること、普段のコミュニケーションや観察から推測する力がどんな職場でも求められています。
言いたいのは、「言われた水準の成果を出すだけ」「自分の都合の良い」レベルの成果を出すだけの姿勢にとどまってはいないだろうかということ です。
相手の期待を知ろうとする働きかけ。またはその関係づくり。
そして、その期待を越えようとする姿勢が重要です。
そんな社内での指示受けの姿勢が、クライアントと接するときに、顧客満足を追求する姿勢となり、さらには顧客喚起につながっていきます。
(日本生産性本部の調査より)