2週間ほど前にSoftBank World 2014に行ってきました。
展示会にはお邪魔せずに、お目当ては孫さんの基調講演。
昨年の『300年後の世界』をテーマにした基調講演が面白かったので、孫さんが「今どんなことを考えているのか」を聞けることを楽しみにしての参加でした。
参加しての感想。
正直、不満足でした。
「あれ?ここまで営業カラーが強い内容?」「なんて子供騙しな…」と感じるものでした。
「タブレットは全社員に配布しちゃいなよ。クラウドも導入だ!」
「ロボット産業やるよ。みんなPepper君をよろしくね!」
という2つのメッセージ。(意訳あり)
商売目的というのは当然のことだとはわかってるんだけど。。。
「日本復活の方程式」と表しての、その必要性の煽り方が、子供騙しと言える話術とパワーポイント資料。
「え!? 大事なことを見えなくしているじゃん!」
「ちょっと、孫さん。そんなので騙される人がいるって思っているの?」
と感じる内容でした。
その後のアリババグループのジャック・マー会長の話は自己啓発セミナーというか、ネットワーク商法でも始まってしまうのかと思いましたし。。。
おっと、不満日記みたいになってしまいました。
もちろん、孫さんの発信しているメッセージは先を見越したもので、一貫性があるものでしたよ。
ちなみに、このときの動画も見れます。
その中で改めて感じたことは、ロボットの進化による世の中の変化。
特にPepper君を直に見て、ライフスタイルどころか人間性までも変化するのではないかというこという、高揚感と危機感を持ちました。
危機感?
Pepper君の価格からすると、一家庭に一台もねらっているもの。
学習機能や感情認識機能があるということから勝手にイメージしたのは、将来的に「親友はロボット」という“のび太”的な子どもが育ってしまうのではないかと。
悪い意味で。
自動的に感情を認識してくれるロボットが近くにいたら、“自分の感情を表す力”も、“周囲の感情を汲み取る力”も弱くなってしまうのではないでしょうか。
個人的には、地域教育こそがその打開の鍵になると考えているのですが、企業教育でやらなくてはならないことも増えてきそうです。
そして、単純労働を担うのがAIを持つロボットに変わることで、人間に求められる労働は知的労働による付加価値創造になるということ。
これの意味するところは、採用・育成・評価・処遇の判断基準が、今まで以上に目に見えないものになってくるということです。
「いつも隣で見ているわけではないから、評価できない」と言っている管理職の方。
これからは、隣で見ていてもわからないことを評価する時代になってきますよ。
こういったことは、ここ数年で言われている話ではないでしょう。
10年、20年前から言われていることです。
でも、この10年、20年間で、人事システムに大きなイノベーションは起こっていません。
働き方の多様化は見え始めても、職能資格・中途半端な成果主義、新卒同時期採用、階層別教育。
そういったものに大きな変化は感じられません。
そろそろ、「等級定義なんてなくてもいいよね」という会話があってもいい時期でしょう。
誰もが薄々気づきながら、慣習・常識にとらわれて一歩が踏み出せない現状がここにあります。