日記というか、ひとり言。

散歩をしていて、スポーツ見ていて、映画を見ていて、漫画を読んでいて思ったこと。

“自ら考える力” を養う鍵は言語能力

メッセージングアプリ『LINE』がメールに変わるコミュニケーション手段となっています。

・メールよりも早い

・無料でできる

・復数人でのチャットにも向いている

・スタンプなどにより、手軽に伝えたいことが伝わる

 

などの理由から、今や日本人の3人に1人がLINEユーザーとなっています。

東南アジアなど盛り上がりを見せ、全世界でも1億2000万ユーザーを超える勢いだそうです。

 

その機能以上に「みんなが使っているから使う」という理由で利用し始める人もいるようですが、実際に使ってみると、スタンプ機能等は感情を容易に表すことができ、手軽さを感じます。

LINE


一方で、日本人の言語能力の低下を危惧する声もあるようです。

 

言語能力の低下は、携帯メールが一般化した頃から言われてきた議論であり、実際に全国2006年には児童生徒の国語力が10年前に比べて低下したと考えている学校が小学校で6割、中学校で7割、高校で9割にのぼることが、都道府県教育長協議会の調査でわかりました。

その理由は、「コミュニケーションの手段が急速に変わった」以外にも、「読書量が減り、文章を読むことが少ない」「国語の授業が減った」などのことも挙がったため、一概には言えませんが、メール文化がその一因ということは否定できません。

 

今後、より簡易に感情表現ができる『LINE』の一般化によって、言語能力の低下に拍車がかかることは想定できることであり、日本の言語能力向上の声は一層強いものとなるでしょう。

 

そして、この言語能力の向上に関しては、実はスポーツ界でも強く求められていることなのです。

さらに、それは企業においても求められるものと感じます。

日本サッカー協会副会長及びアジアサッカー連盟(AFC)理事である田嶋 幸三氏は、自らの著書『「言語技術」が日本のサッカーを変える』で、日本サッカーに足りないのは自己決定力であり、その基盤となる論理力と言語力だと言及しています。

サッカー先進国では、子どもの頃から1つ1つのプレーに対する自分の考えを明確に説明することがクセづけられているそうです。

この意図を持ってプレーする習慣がクリエイティブなプレーを生み出しているとのことです。

子どもたちが自分のプレーについて論理的に説明できないと、「何も考えないでプレーしている」と見なされます。

 

一方で、「そのプレーの意図は?」と聞かれたとき、監督の目を見て答えを探ろうとするのが日本人。

1つ1つのプレーに際し、意識的に判断しながら論理的思考を養っているサッカー先進国の子どもに対して、日本では、小さい時からコーチに「右に蹴れ」「左に蹴れ」と、細かく指導されます。

上から細かく指導されていると、子どもたちは自主的に判断できなくなってしまいます

そういう指導法の差が10年、20年経つと、雲泥の差になる。日本とヨーロッパの差は、言語技術の差とも言えるというのです。

もちろん、世界のトップリーグで活躍する日本人選手、「クリエイティブ」と言われるプレーをする日本人選手は増えました。

しかし、そんな選手を“待つ”のではなく“育てる”ために、強く推進しているのが、「言語技術」の習得なのです。

 

田嶋氏は、中学生のサッカー選手を集めトレーニングをするJFAアカデミー福島という施設で、言語技術を伝授する講義をもうけています。

 

サッカー界の話を引用しましたが、“自分で考え、動く”人材は企業でも求められていることは言うまでもないでしょう。

 

各職場で部下から質問された際に上司は「君ならどう思う?」と聞き返すことはあるでしょう。

もちろん、そのような投げかけは重要ですが、先の『LINE』の例のように、言語能力が下がっている傾向にある若手社員が多いことも否定できません。

その背景を考えると、上司にはこれまでとは違った指導が求められます、それも抜本的な。

サッカー協会に習い、言語教育とも言える機会をつくることも1つの手かもしれません。

「会社は学校ではない。」その通りですが、日常のOJTの延長にあることでも幾つかできることはあるはずです。

思えば、私も入社後、社内報でのコラム、なりたい姿の明文化、上司が薦める本の読書感想文、営業用トークスクリプトの文章化など、あらゆる書く機会を上司からいただきました。

嫌々やらされていた当時ですが、今思うと現在の私を形作っている大きな要素だったと言えます。

 

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