電車の釣り革広告で、こんな問題を見かけました。
ご存知、日能研の「シカクいアタマをマルくする」シリーズです。
解答はどうあれ、ふと思ったことは、
「ITの普及によって、サービスや働き方が変化していくことを小学生にも考えさせている時代なのに。。。」
ということです。
「なのに。。。」 なんなのか?
同時に思ったのは、「現場や人事の考え方は、まだ時代の変化に追いついていないな」ということです。
ITの普及にかかわらず、昼夜を問わないサービス展開は今後増えてくるでしょう。
海外との取引をしていればそれは当然のことですし、スピード感を求められる物流や生産現場では言わずもがなの話です。
さらに、24時間保育園や24時間美容室なども近い話ではないでしょうか。
サービスが時間に縛られないことが優位性となっていきます。
これはある特定の分野に限った話ではありません。
そのような事業をやっていない企業でも、経済環境の中ではどこかでそのような事業とつながってくるでしょう。
現代社会においては、どの企業にも言える話です。
そして、サービスが時間に縛られなくなると、働く時間帯の概念が変わります。
そうなると、マネジメントのあり方も変わってくるのです。
と、どこかで聞いたことあがあるような、言い尽くされた話です。
にも関わらず、それでも未だに人事や現場の頭の中は、古いマネジメント概念から抜け出すことができていないのが実態です。
人事制度の改定のコンサルティングを行っていると、
「うちは部下と机を並べていないので、業務を見きれません」
「部下の数が多すぎて、上手く評価できないんです」
「補助評価者の位置づけが曖昧でうまく機能しないんです」
など、「うちはほかの会社と違って特殊なんで」といった発言が、非常に多い。
しかし、聞いていることは「特殊な事情」なんかではなく「当たり前」のことになっていく事ばかりです。
24時間対応が求められると、1人の管理職が全てに目を配ることが難しいことは自明の理です。
そうなると、同じのポストに2人の管理職がついて共同マネジメントしたり、アシスタント職が担当職の人をマネジメントしたり、マネジメントする人と評価者が別であったり。
仕組み云々を変えるのであっても、まずは考え方・パラダイムを変えることが不可欠です。
組織文化を変えることにもなるので、容易でないことだとは重々承知しています。
しかし、「大きな壁」と思われていた組織上の課題であっても、今やそれを乗り越える前提で事業戦略が練られていきます。
さらには、IT技術の進化→事業・サービス変化→働き方変化→マネジメント変化という流れではなく、IT技術の進化→働き方変化→マネジメント変化という流れで、事業・サービス云々関係なくマネジメントの変化が求められることも増えるでしょう。
(情報システム部門から、サービスや働き方への提案が少ないことが日本の弱点でもありますが)
見方を変えると、一足先にそのような組織構造・文化の転換を図れれば、それは独自資源となり、参入障壁の高い新サービスの展開が可能になるとも言えるでしょう。
マネジメントのあり方や人事施策を考えるにも、時代の変化を肌で感じ、アタマをマルくして考えていかなければ、「いつのまにか参入障壁の外側にいるのは自社だった」ということにもなりかねないのです。