「脳は主語を認識できない」と言われています。
自分が発した言葉の主語が省略されて脳に刷り込まれるため、自分が発した言葉すべてを、自分のこととして捉えるというのです。
だから、人の悪口を言うと、脳の中では自分が悪口を言われた時と同じ状態になるのです。
例えば、
「お前はほんとにどうしようもない奴だ」
「あいつはバカだ」
「こいつは性格が悪い」
などと悪口を言うと、人間の脳は主語の部分をカットして、
「(お前=私)はほんとにどうしようもない奴だ」
「(あいつ=私)はバカだ」
「(こいつ=私)は性格が悪い」
と脳が処理してしいます。
さらに、脳には安定化したがるという性質があります。
「こうなりたい」とか「僕は絶対できる」と何度も思い、言い聞かせていると、脳がそう思い込むようになり、そうなるための行動を自然に取るようになるそうです。
逆に、「自分は駄目だ」「あいつは駄目だ」と思い、口癖になってしまうと、脳が駄目だと思い込み、その考えで固定化され、そんな自分を受け入れてしまうそうです。
そうすると、本当はできる可能性があったとしても、ストッパーがかかってしまい、能力が発揮されないままになってしまいます。
非常にもったいないことですね。
主語を認識しないということを逆利用して、周囲を誉めること、周囲に感謝を伝えることで、良好な関係づくりと自分自身の人間づくりが行えるなら、やらない理由はありません。
周囲の人に伝えるのが恥ずかしければ、ペットや植物に話しかけるのもよいでしょう。
ちなみに、弊社では「Myプラント制度」というものがあり、日々話しかけるようにしています。
脳は人間の根幹でありながら未知数の部分が多く、この「脳は主語を認識できない」という説に関しても、脳外科医、脳科学者によって賛否は分かれるところです。
しかし、前向きな言葉が飛び交う組織には前向きな行動があふれ、結果的に多くの気づき・変化・成長が見られることは間違いないことでしょう。
企業においても、周囲の良いところに目を向けてそれを伝え合うことによって、働きやすさと共に、お互いに人間的成長が見られる職場づくりを行なっていきたいですね。
美しい唇である為には、美しい言葉を使いなさい。
美しい瞳である為には、他人の美点を探しなさい。
オードリー・ヘップバーン