FACEBOOKで“診断アプリ”なるものを利用している人が多いですね。
ちなみに、診断アプリというのは、簡単な情報を入力するだけで、「あなたは○○な人です。」と診断してくれるツールです。
「戦国武将で例えるとあなたは、○○」「漫画のキャラクターで言うと、○○」「あなたの結婚願望のタイプは?」など、様々なアプローチが好奇心をくすぐります。
これらのツールを使っている人の反応を見ると、「なんか合ってる感じがする」と肯定的に受け取っていることが多いんですよね。
ここで思うことは、人は「あなたは、こういう人間だ」と誰かに言って欲しいではないかということ。
(当たり障りのない診断結果というのは置いておいて。)
これらのことは、FACEBOOKや携帯電話の端末だけじゃなく、毎朝のTVの占いや、神社でのおみくじ、そして血液型性格診断などの廃れない話題性からも伺えます。
「○○さんは、こんな人だよね。」とプラスのことを言ってもらえると誰でも嬉しいし、その内容が自分でも思っていることであれば、なおさらです。
「個性を発揮しろ」「自分らしさが大事だ」と声高に言われても、自信を持って、自分の強み、自分らしさと言えるものがわかっている人は多くないでことが現実。
だからこそ、このような診断アプリを使って、「あなたは、こんな人」と言われることに拠り所を求めます。
そして、そこには「自分のことをわかってもらっている」という嬉しさもあるのでしょう。
横田尚哉氏の『ビジネススキルイノベーション』。
この本で下記のような図が紹介されています。
マズローの5段階欲求に独自の解説を加えたものです。
横田氏の言葉をそのまま借りると、
「リアルのコミュニケーションが減少して、職場での会話がなくなり、家族や友人との会話も減ります。さらにリアルな熱意も、リアルな勇気も、リアルな努力もいらなくなる。いつのまにかリアルで必要なスキルが衰え、ネット社会への依存をますます強めていくのです。」
と言います。
診断アプリの他に、FACEBOOK上での友達とのやり取りを参考に、コンピュータがランダムに振り分けた相関図を作成する“相関図アプリ”も利用者が増えています。
自分がどんな人と頻繁に接点を持ち、どんな人関係にあるのかを面白く表現してくれます。
これらのアプリの利用は暇つぶしに過ぎないでしょうが、利用者が増えている背景には承認欲求が高いのに、リアルな世界で承認されることが少ないということが見え隠れしています。