先日はある企業の評価会議に同席してきました。
評価会議と聞くと評価者の目線合わせが目的にあることが想定されますが、実際には評価者である管理職の育成の場、意識づけが真の狙いとなっています。
この企業では人事部長が評価会議を主導するのですが、部長や課長から評価点をつけた根拠を受けながら、その都度、気に なる点についてフィードバックしていきます。
「部下への期待は明確にし、伝えているか」
「小さな変化を見過ごしていないか」
「できている点については伝えているか」
「さらに求めることはどんなことなのか」
「人間的成長を見込むためにはどんな経験をさせると良いか」
「フィードバック時にはどのように伝えていくイメージか」
など、業務運営はもちろん、育成視点も持ってマネジメントに あたっているかを確認していきます。
もちろん、評価の目線合わせという要素も含んではいますが、基準に合わせることには決して縛られることはありません。
例えば、たとえ高い評価に値する若手社員がいたとしても、
「この若手は今が伸び盛り。
今まではスムーズに来ているから、ここで満足しないように、標準評価にしておこう。」
といった会話がされることもあります。
管理職研修を行なったとしても、経験が長くなればなるほど先入観がインプットを妨げてしまうもの。
一般的なマネジメントを学ぶよりも、一人ひとりの部下と、そして、組織全体と真剣に向き合う時間こそが、管理職としての学びが深くなることでしょう。
ただし、各部署主導では、所属長のカラーが強くなり、変化・前進は見込みにくいかもしれません。
人事部・経営層が強い意志を持って評価会議を牽引していけるかが、組織を変える肝となるでしょう。