バレーボール、サッカー、ラグビー、アメフト、駅伝。
年末年始にかけて多くの学生が、熱い戦いと歓喜の笑顔、そして、言葉にならない悔し涙を見せてくれました。
そんな学生スポーツでは、試合中に監督が檄を飛ばす姿や厳しい練習とともにチームの規律を重んじるシーンをよく目にします。
しかし昨今では、選手の「自主性」を大事にする監督やチームが増えてきているようです。
今年の春高バレーで言えば、男子群馬県代表、県立伊勢崎高校の渡瀬監督はその代表例でしょう。
自主性を尊重したマネジメントで選手たちを活かし、県予選では1セットも奪われることなく圧倒的な強さで勝ち上がってきました。
全国大会では1回敗退という結果に終わってしまいましたが、文武両道を目指す同校では、練習時間も毎日2時間ほど。
スポーツ推薦で入部してくるような全国区の選手もいないと聞くと、全国大会出場は
本当に素晴らしい結果と言えるでしょう。
しかし、この「自主性」どこまで、どのように求めるかが非常に難しく感じます。
僕自身、アルティメットというフリスビーを使ったスポーツを学生時代から続けており、現在は社会人チームの幹部として、チーム方針や戦術を考える立場に置いてもらっています。
しかし、「メンバーそれぞれが考える」ことを重視し過ぎて、「船頭多くして…」の状態になってしまったり、逆に自分を押しすぎてしまったりと、反省の多い幹部でした。
スポーツ以外でも会社などで同じことを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
言われたことだけをこなすのではなく、「+α」を期待して自主性に任せてはみたものの「できない言い訳ばかりを並べてくる」ということはよく耳にします。
ではどうすれば?
正解といえる答えはありませんが、山本五十六のあの有名な言葉には多くの教訓が詰まっていると感じます。
「やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ」
行動と言葉で組織の方向性を示し、個々の役割を明確にする。
そして役割実践の機会を与え、その実践行動や成功体験をしっかりと認める。
私なりの拡大解釈も入っていますが、
1.方向性の明示
2.機会の提供
3.実践の承認
これらはリーダーとして組織を率いる上で、決して欠かすことができないことと感じています。
僕個人の話に戻ってしまいますが、昨シーズンのチームでの私は「機会の提供」の意識が足りなかったと今になって思います。
今シーズンもいよいよ始まります!
昨年の教訓を活かして、さらに上を目指せるチーム作りに邁進していきます。
「やらされるバレーより、自分たちでやるバレーの方が楽しいし、選手たちのやる気も引き出せる。
監督はヒントを与えるだけでいい。」
県立伊勢崎高校 バレー部 渡瀬洋治監督