プロ野球。
読売ジャイアンツの高木勇人投手が、新人としては史上12人目の月間MVPを受賞しました。
4勝0敗 防御率1.50。
ルーキーイヤーの初月に、このような“新人らしからぬ”成績を残せるのは、実力はもちろん、精神面でもタフであることを物語っています。
先日、初の黒星を喫し5勝1敗となりましたが、実績のある投手が本来の成績を残せていないジャイアンツにとって、頼もしい存在であることは変わりないでしょう。
しかし、この“新人らしからぬ”成績は、“新人だから”の成績とも言えます。
これほどの成績を残すと、今後他チームのスカウティング部の注目度は高くなり、攻略方法の分析が進むことは間違いありません。
一方で、今後連投が続き、夏場を迎えると、体調管理も一層難しいものとなっていきます。
そのような状況の中で、いかに自分の持ち味を持続できるか、さらに成長できるかが楽しみです。
しかし、プロの世界はそう甘くはないもの。
過酷な競争環境の中で、新人・若手選手の関門となってくるのは、「持久力」ではないでしょうか。
数少ないチャンスで成果を出せるかが大切であることは言うまでもありませんが、それを持続することが何よりも難しいことでしょう。
毎年、開幕時に注目される若手・新人選手は数多くいますが、シーズン終了時にどれだけの選手が一軍に残っているでしょうか。
もっと言ってしまえば、ファンの記憶の中に。
ポテンシャルは高く、キャンプ時に良い結果を残すものの、毎年5月以降に奮わなくなってしまう。
結果を残すことは難しいことですが、それ以前に故障で脱落してしまう選手が多いものです。
しかも、そういう選手は毎年同じだったりするものです。
野球に限らず、「あいつはシーズン通して活躍できないよな」というイメージの選手が何人か思いつくのではないでしょうか。
(ジャイアンツファンの方にとっては、片岡選手はもちろんのこと、橋本到選手も心配でしょうね)
それだけ、厳しい環境であることは想像ができるのですが、一方でそうでない選手もいることも事実です。
この違いというのは、素質の違いと言ってしまえばそれまでですが、その他に3つ要因があると、私は思います。
1つは、体の節制をしっかりしているか。
もう1つは、今の自分に固執しすぎないか。
そして、2軍の空気に流されていないか。
野球トークが長くなってしまいましたが、これは社会人にとっても当てはまることです。
5月も半ばともなれば、すでに実績を上げている新人もいることでしょう。
しかし、もしかしたらそれもビギナーズラックかもしれません。
学生時代に身につけたコミュニケーション(ノリ)が、たまたま合うクライアントだったのかもしれません。
重要なのは「持続力」。
一発屋で終わるか否かの差は、スポーツ選手のそれとあまり変わりません。
良い習慣を身につけているか(良い習慣を盗んでいるか)。
1つの成功体験にしがみついていないか。
「こんなもんでいいよね」という周囲の空気に流されていないか。
もっと言ってしまえば、これは新人・若手に限った事ではありません。
長く成果を残す人に言えることです。
今でもメジャーリーグの第一線で活躍するイチロー選手は、自分のポリシーがあり、「自分を変えない選手」と見られがちですが、毎年バッティングフォームを変化させています。
成果の「持続力」の裏には、何百という変化が隠れています。