「経営」。
企業に勤める人であれば日々直面している言葉であり、それは学校という場であっても、NPOのような組織でも考える必要があるものです。
それでは、この「経営」というもの。
日々耳にしてはいますが、「経営する」とは一体どう言うことなのでしょうか。
「経営」とは一言で言うと何なのだろうか?
経営者とは、業種業態を問わず、結局何をしているのか?
この問いから行き着いた答えは・・
「意思を持って計画し実行する」
ということです。
この定義は、言うまでもなく3つの言葉から成っています。
意思を持って/計画し/実行する
この3つのうちのどれが欠けても「経営」とは言えなくなってしまいます。
●「意思を持って」について
かつて「経営とは、ヒト・モノ・カネの最適な配分を決定すること」と言われていました。しかし、今やこの定義を聞くことはなくなりました。
経営の要素は3つだけではない上、何を持っての「最適」なのかということが重要であるためです。
「経営」という多くの意味を含む言葉の定義は難しいものですが、この「何を持って」というのが、まずは大事なキーワードなのではないでしょうか。
言い換えると、これが「意思を持つ」ということです。
目的地がないままに進み続けることは、社員の疲弊感を生んでしまいます。
うまくいっている時には感じないものですが、一度経営が悪化すると“出口のないトンネル”に入り込んだ状態になってしまいます。
・戦略面でのライバル企業への追随重視
・過去のトレンドの延長というだけの「計画」
・部門の申告を寄せ集めただけの「計画」
・部門長以下に丸投げ状態の「実行」
といったことが、経営者の言動から見られるようであれば、「意思を持って」いない経営である可能性が高いです。
また、経営者だけでなく、社員から
・「社長が言ったから」「上司が言ったから」を行動の拠り所にする
・計画の背景も意味も自分の頭で考えない
・状況の変化があっても疑問を持たない
ということが感じられるようでしたら、「意思を持たない」ことが組織的に蔓延していると言えます。
●「計画し」について
計画することがないと、どのような状態になるか。
厳しい言い方をすると、“その日暮らしの迷走経営”“根無し草経営”ということです。
社員からすると、すべきことが分からなくなってしまい、これも徒労感が出てしまいます。
目的地が決まったら、どのルートで行くのか。
それが明確になることで、自信を持って一歩目を踏み出すことができます。
しかし、トップが計画を練りに練りすぎてはいけません。
実行する現場の社員が、「言われたことだけを行う」受け身な体質になってしまうためです。
計画は不変なものではありません。
実行していく中で、状況変化に応じて都度計画も練り直す必要があります。
そしてその変化を感じるのが、現場のメンバーです。
計画を立案するプロセスに現場のメンバーが絡むことで、そこで得た思考や情報が計画変更のときにも大いに役に立ちます。
そして、何より「自分たちで立てた」という当事者意識が実行力を高めるのです。
●「実行する」について
「意思を持って計画する、以上」と、実行が伴わない場合、これは言うまでもないかもしれません。
俗に、“絵に描いた餅”とも言います。
計画を、実際に「食べられる餅」にしていくのは実行力です。
ビジネススクールや様々な書籍で、事業戦略の描き方等が学びやすくなりました。
しかし、昨今の多くの企業で抱えている問題は、実行力の欠如です。
決めたのになかなか始められない、中途半端に辞めてしまうことが多い、といったように。
実行するのは現場の社員です。
つまり、実行力を高めていくには、人や組織に変化が必要であると考えられます。
経営に置ける組織戦略や人事部門の役割への重要性が高まっていると言えるでしょう。