コミュニケーション上手な人とはどんな人でしょうか。
耳にすることの多いこの「コミュニケーション」という言葉。
その実態は非常に曖昧で、この質問の回答も多岐に渡ることでしょう。
コミュニケーション上手な人。
その一つの要素として私が最近感じていることは、 「相手の言葉の分母を理解できるか?」 ということです。
「言葉の分母」とは、言い換えれば「言葉のカテゴリー」。
相手が何を伝えたいかを察知できるかどうかです。
たとえば、相手が富士山の話をしているとき、その人が伝えたいことは、
「出身地の静岡自慢」
「最近感動したきれいな景色」
「日本の誇るもの」
「大変だったけど、達成感を得たこと」
など、幾通りも考えられますが、まさにこれが分母になります。
しかし、この分母を履き違えて会話を展開してしまうと、
「いや、そういうことを言いたいんじゃないんだけどな…」
と思われてしまいます。
逆に分母をすぐにキャッチできる人、相手の伝えたいことを理解できる人。
そんな人は、相手の分母に合わせて会話を広げることができます。
会話をしている相手も心地良いことでしょう。
そして、このことが、仕事ができるかどうかにも大きく関わってきます。
上司に資料の修正を言い渡されたとき、そこだけを修正するのか。
それとも、上司の言わんとすることを汲み取り、総合的に見直すのか。
これも分母を理解しているかどうかの表れです。
言葉の分母を理解できる人は、発想も広い視野で考えることができます。
そして、この差が仕事の成果だけでなく、本人の成長にも影響を及ぼします。
言葉一つひとつは分子です。
日常の会話でも分母を意識することで、次第に仕事の成果に変化が見え始めます。