5月に差し掛かるこの時期。
評価結果と来期への期待を伝えるフィードバック面談が行われる頃でしょうか。
多くの企業で、現場の声としてあがるのが「課長の評価対象者が多い」ということです。
人によっては30名の部下がいて、面談だけで1週間が終わってしまうという方もいることでしょう。
管理業務のみならず、自分の担当業務も多分にあることから、課長昇進を敬遠する方も少なくありません。
そんな中間管理職であるが故の不平も重なり、様々な声が上がるとは思います。
しかし、今日は課長ではなく、部長のマネジメント力に焦点を当てて考えてみたいと思います。
直接マネジメントをする部下の人数は、部長よりも課長の方が多いものです。
しかし、部長になれば、マネジメントが楽になるということでは決してありません。
部長層のマネジメントの難しさ。
それは、複数の分野を管理しなければならないということに尽きるでしょう。
言い換えれば、「自分の専門外の知識を持った部下」の指導・評価が求められているということです。
そして、自分の歩んできた分野であっても、生の情報、最新の動向は課長以下が持っていることが多いものです。
それらを考えると、自分の経験に頼ったトップダウンのマネジメントでは、なかなかうまくいかないでしょう。
自分の成功体験や知識の押し付けではなく、本人の意欲を高める。
自分がやるのではなく、部下が仕事をしやすい道を作る(他部署・社外とのパイプ役など)。
やり方を伝えるのではなく、目指す方向を示す。
教えるのではなく、育てる職場を作る。
メンバーが組織の目標や戦略を理解・納得して、それに向けて自らの力を発揮しようとする意欲を育むことが大事です。
管理スパンが広がることによって、1対1から1対多数のマネジメントへ。
環境づくりが求められています。
もちろん職場によっては、部長に限った話ではないでしょう。
いや、階層にかかわらずとも言えます。
5月には約30社が参加し、ビッグデータを互いに活用し合う専門組織が設立されるとのことです。
ビッグデータの活用には分析のシステムや専門家が必要です。
しかし、日本には一社で全てを備えている企業は少ないため、このような連携が必要となってきます。
資源をフル活用するために、様々な分野でこのような例が今後増えることが予想されます。
部長・課長といった一企業内での役職は小さなものであり、組織を越えたマネジメント力が求められることは間違いないでしょう。