松竹は来年4月、4~10歳の男女が対象の歌舞伎スクール「寺子屋」を歌舞伎座で開くそうです。
着付けや礼儀作法、日本舞踊や子役の基礎を教え従来の世襲だけに頼らない未来の看板役者の層拡充を視野に、和の素養を持つ若い観客の育成も考えています。
今や顧客も育てる時代。
自社内の育成を考えるだけでは、十分ではないということでしょう。
一方で、もう1つの目的である、世襲制に頼らない後継者の育成。
伝統芸能の世界ではどこも切実な問題であると思います。
人材育成は短期で成果の出るものではありません。
企業においてもそれは同じで、「企業内教育だけでは十分ではない、学校教育からの見直しが必要なのでは」と感じる経営者や人事の方は多いでしょう。
日本の学校教育を嘆くこともあるでしょうか、自分たちにできる初等~高等教育もあるはずです。
松竹の事例は、ある意味ではビジネスのためでしょう。
しかし、そのような取り組みは子供たちの選択肢を増やし、かつ情操教育の機会の提供となっています。
企業にとっても、子ども達にとっても、そして日本にとっても価値のある取り組み、教育はそんな分野であると思います。