楽天イーグルスが劇的な勝利で初の日本一となった、今年の日本シリーズ。
週間視聴率のトップ3を日本シリーズ第5戦~7戦が独占していたことからしても、昨今稀に見る注目度であったと言えるでしょう。
「主役が仕事をできなかったときに弱点が現れる巨人」
ニッカンスポーツの「元ヤクルト宮本慎也氏日本シリーズ観戦記」でのコメントです。
打つべき人が単発に終わってしまった巨人と、1番から9番までが積極に仕事をした楽天。
誰の目から見てもその差は明らかでした。
「主役が仕事をできなかったときに弱点が現れる」
このことは巨人のことに限らなければ、スポーツのみにおける話ではないでしょう。
主役のみに頼りきっているという、この言葉はどのような組織にも言えることです。
近い視点で、“80:20の法則”という言葉がります。
「売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。」
「仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。」
などの事象を表したものです。
実際には経験則を越えないもののようですが、そのようなことを感じることは少なくないのではないでしょうか。
そして、8割の成果を生み出す2割の事業や人材が永続的ではないということも事実です。
組織のトップが行うべきことは、現状を冷静に見ることです。
調子がいいと感じている時こそ、一部の事業や人材に頼っていることが多いものです。
歪が出たときに、つまり主役が仕事できなくなるとき(もしくは主役となる人材が辞めてしまうとき)を想定し、次の事業や人材育成、配置を行っている必要があります。
圧倒的な戦力でリーグを制覇した巨人。
打てるキャッチャーやショートというスペシャル・ワンがいるという強みが同時に、替えがきかないという弱みにもなっています。