【ロシアが宇宙産業改革 組織統合など、人材流出が深刻化】
(10/11 日本経済新聞)
相次ぐロケット打ち上げ失敗などを受け、先週、ロシア政府が非効率が指摘される宇宙産業の改革に乗り出しました。
10を超える宇宙企業群を新設する「統一ロケット・宇宙会社」に統合。
管理部門の経費を大幅に削減生産・開発部門の連携を強化する方針です。
企業においても、経営統合や事業統合は珍しくはなくなりましたが、スムーズな統合に至るケースは希なようです。
ロシアの宇宙事業の場合もそうなのですが、統合の目的が「合理化」のみに置かれてしまっていることに問題があります。
統合を目の前にした企業の社員の方に話を聞くと、以下のような期待と不安を口にされます。
□期待
・新しい顧客層への開拓につながる
・コラボレーションで新しいサービス・商品が生まれる
・どちらのものでもない第三の社風が生まれる
・仕事の仕方が見直される機会となる
・新しい仕事につける可能性がある
・役割分担がはっきりする
・新鮮さの中に、良い緊張感が生まれる
□不安
・結局はどちらかが飲み込まれる形になる
・経営方針が統一できないこともある
・意思決定が遅くなる
・ポストが減って、昇進しづらくなる
・リストラの可能性を感じる
・報酬が下がる可能性がある
・人間関係がうまくいくか不安
・上司がうまくマネジメントできる人か
・どんな仕事をやらされるのかわからない
上記の様な思いは社員の多くの方が思っているにもかかわらず、 統合の合理化が目的は合理化のみに偏ってしまい、結果として社員の動きも気持ちもついていけないことが非常に多くあります。
統合を成功といえるものにするためには、社員の気持ちの部分にも配慮が必要です。
私たちが組織変革コンサルタントという立場から統合のお手伝いをする際には、下記の3つを重視しています。
1.一貫性を保てるコンセプトを立てる
2.社員にとっての意味をメッセージする
3.統合のプロセスに社員をどう参加させるかを考える
統合の目的は合理化であるということは事実でしょう。
しかし同時に、統合を会社も社員も生まれ変わる機会にするという発想を経営者の方が持たれると良いでしょう。