今年になって落語を聞くようになりました。
話し方の勉強にと思ったことが、そのきっかけでしたが、もともと、「面白いもの大好き」の自分。
あっという間にその魅力に飲み込まれてしまいました。
立川志の輔を筆頭に、現代をテーマにした新作落語もイメージしやすく面白いのですが、江戸時代を背景とした古典落語もまた面白い。
そして、魅力を感じるのは、話の内容は同じであるにもかかわらず、聞くたびに違う印象を受けることです。
たとえ同じ話であったとしても、別の噺家が講じるだけで、登場人物が別の全く違うキャラクターになる。
また、同じ噺家であっても聞くたびごとに違う印象を受けます。
同じストーリー、わかりきった「オチ」にもかかわらず、飽きることなく、聞くことができるのは本当にすごい文化です。
寄席に来るお客様にリピーターが多いことは周知のこと。
寄席のホスト役であるプロの噺家からすると、同じ噺を同じように表現することは一切ないのでしょう。
その日その日によって、何かを変えていく。
マクラだったり、間の取り方だったりと。
私たちも研修を行う際には、「進化」をテーマの一つとして持っています。
ありがたいことに、リピーターとして、「来期も同じ研修を」と言うお話を頂くことがしばしば あるのですが、「より良くするには?」という観点から必ずブラッシュアップを行うようにしています。
流れ、進行方法、講師の伝え方からワークシートまで、常に進化し続けることを信条としています。
最高と思えるものを提供としながら、「変化」させることをためらわず、進化し続ける。
噺家のプロに倣って、そんな姿勢を持ち続けていきたいと思います。
「プロゴルファーが、次のホールのことを考えてプレーし、ショットを打つのと同じです。
独演会に来ていただいたお客様はとりあえずその日は終わるまで帰りません。
ですから、喜んで次回に来ていただくよう努力して噺をすればいいのです。」