なでしこジャパン、決勝進出おめでとう!
優勝候補のドイツ、スウェーデンを破り、いよいよ17日にはアメリカとの決勝戦ですね!
一回りも体の大きな相手にも少しも怯まず、最後まで決して諦めない、なでしこジャパンの姿勢、快進撃に心を動かされる方は多いのではないでしょうか。
その日本代表を支えるのは、エースナンバーを背負う澤穂希選手だと言っても過言ではないでしょう。
驚異的な運動量、抜群のサッカーセンスは言うまでもないことですが、その強力なリーダーシップが、チーム全員の闘争心を最後まで奮い立たせています。
世界4位となった北京五輪のある試合で、宮間選手は
「苦しい時は私の背中を見なさい」
と澤選手に声をかけられ、最後の1秒まで澤の背中を見て走ったそうです。
チーム内の信頼関係とともに、澤選手のリーダーシップを物語る、1つのエピソードです。
スポーツ界におけるリーダーシップは、ビジネスの場でも引き合いに出されることが多いですが、それに対して、大前研一氏がある記事で一石を投じていました。
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日本の場合、リーダーシップ論になると、スポーツのアナロジーが多い。
野球、サッカー、ラグビー、バレーボールなどのスパルタ型、もしくはその逆のチームプレー型で成功した監督のリーダーシップに学ぼう、というわけである。
実際、それを好む経営者は少なくないし、経営者を相手に「鬼監督」が講演している場面にもよく出くわす。
だが、これは大きな誤りだ。
そんなリーダーシップは、組織を動かすリーダーはもとより、部下が9人とか15人の最前線のリーダーであっても役に立たないと思う。
経営の場合、もはや一部の特殊な業界を除き、スパルタ型で部下がついてくる時代ではない。
また、たとえ部下が10人でも、チームプレーということは、まずない。
10人みんなが同じ仕事をしたり、何人かで同じお客さんを担当したりすることはあり得ない。
担当者が休んだ時や何か突発的な事態が起きた時に他の人間がカバーすることはあっても、基本的には10人がバラバラに動き、一人一人が最大の能力を発揮することで全体の効率を上げていかねばならないのだ。
スポーツのアナロジーは美しくて分かりやすいが、経営には通用しないのである。
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確かにその通りでしょう。バラバラに動くメンバーを管理し、それぞれの能力を最大限に発揮していくことが求められている。
しかし、リーダーシップの本質は本当にそこなのだろうか?
平時のとき、会社の業績がいいときに社員の能力を最大限に発揮させるリーダー、管理職は少なくないかもしれない。
しかし、真のリーダーシップが求められるのは、平時ではありません。
今回の震災のように不測の事態が起こったときでも、ブレることなく、メンバーに方針を示すことができる人、すなわち「信念」のある人物が真のリーダーシップを持つ人材と言えるのではないでしょうか。
時には、メンバーから反対されることもあるかもしれない。
周囲からは奇異の目で見られるかもしれない。
それでも、自分が「これ」と思ったことについては、たとえ何があっても揺るぐことなくやり通すという“強さ”、そして指し示されるビジョンに周囲は共感し、メンバーとしてそのリーダーを支えていくことでしょう。
ブレない信念を持ち、確固たる方針・ビジョンを示すことは、ビジネスの世界でも、スポーツの世界でも、そして政界でも重要なことであり、かつ、今もっとも求められていることである感じています。
「サッカーの神様などいない。頼れるのは自分だけ。」