日記というか、ひとり言。

散歩をしていて、スポーツ見ていて、映画を見ていて、漫画を読んでいて思ったこと。

今、研究職に求められるもの

現在、あるメーカーの技術部の方とともに、「事業企画力を養成する」というテーマで、新しい研修プログラムを構築しています。

 

「技術部で事業企画なんて、本当に必要なのか?」という声もありそうですが、このようなテーマを掲げるにはこんな背景がありました。

 

この企業、業界ではリーディングカンパニーとなる素材メーカーなのですが、数年後を予測したときに、決して楽観視できないという状況にありました。

市場ニーズの多様化が進み、製品ライフサイクルの短縮化も見られる昨今、競合他社との競争もますます激しいものとなっていきます。

 

そんな中、今後さらに事業拡大を進めるとともにメーカーとして社会の発展に貢献していくためには、技術者にも、市場・顧客が求める価値をいち早くつかみ、自身の研究開発につなげることが求められています。

 

しかし、今回タッグを組んでプログラムを開発している技術部のトップの方は、

「今の技術研究職は自分の研究分野には熱心に取り組んではいるが、全ては現在の延長上に過ぎない。

数年後の世の中のニーズを先取りしようという視野の広さや、今の研究がどのような事業につながり、どれだけの利益を生み出せるかという視点が全く無い」

と言います。

 

そこで今回、技術研究職の方に新事業企画から推進までの一連の流れを実践するプログラムを構築しました。

研修プログラムは約半年間の中で3回の合宿型の集合研修を経て、最後は、自らが立案した事業プランを役員に対して発表するという内容です。

3回の集合教育では、新しいビジネスのタネを発掘する「イノベーション教育」や実際の事業推進を経営トップとして体感学習する「ビジネスゲーム」など一風変わったコンテンツを組み込んでいます。

 

しかし、それらの集合教育は様々な経験や知識習得を行う機会となりますが、あくまで知識習得の場に過ぎません。

 

半年間で意識や知識を効果的に身につけていくためには、職場に戻った後も、事業プラン企画に向けた課題に取り組みます。このインターバルワークこそが集合研修以上に重要なのです。

 

現在の研究業務が平行して走る受講生の方には非常にハードな半年間になるでしょう。

しかし、新事業というものは、すぐには利益には結びつかないものです。

 

日々のオペレーションとなる研究を進めると同時に、次の利益のための事業を立案していく。

この同時並行でものごとを考える姿勢がビジネスの場では求められます。

 

 

スタートは6月末。

全体設計も固まり、いよいよ細部を詰めて走り出しとなり、これまでプログラム構築のために多く打合せの場を重ねてきましたが、経営の期待、現場トップの想いが並み並みならぬことを肌で感じています。

 

そのような期待・想いを具現化するために、私達もプログラムの構築・実施に妥協することなく取り組んでいきたいと思います。