1月もあっという間に終わろうとしていますね。
先日、小学生のときから20年以上続けている獅子舞の新年会に参加してきました。
私の生まれ育った土地に鎌倉時代から続く、伝統ある『江古田獅子舞』。
その集まりだったのですが、会場に着いて驚いたのは、その年齢層。
なんと20代は私1人。40代が1人、50代が1人。
残り20数名ほどは60代から80代の大師匠という状況でした。
「自分と同年代の人にとっては、こういう場は面倒と感じてしまうのかな」と思う一方で、私にとってもそれほど会話のない方々。
普段稽古をつけてもらっている方とは言え、「壁」のようなものを感じていることも私の正直な気持ちでした。
しかし、会話に入ってみると、それは杞憂と先入観に過ぎないことにすぐに気づきました。
野球の話や散歩の話、テレビ番組の話など、普段私が友人との間で話す内容とさほど変わりはなく、寒さも忘れてあっという間に時間が経っていきました。
何気ない会話の中で、普段知れない一面や趣味を知り、師匠方との距離が近くなったように感じました。
「昔はこうだった」「今の子達は…」という話を耳にして、「壁」のようなものを感じてしまっていたのかもしれません。
しかし、それは先入観であり、私自身が勝手に作っていたものだと気づかされました。
年齢や階層による、見えない「壁」というのは地域コミュニティの中だけでなく、企業内でも感じられるものです。
むしろ、お互いのバックボーンを知らないことが多い企業の方が顕著かもしれません。
しかし、小さな“きっかけ”によってそのような「壁」も簡単になくすこともできるのではないでしょうか。
よくお客様からお聞きするのが、
「新入社員の教育担当者が40代の人になっているんだけど、ちゃんとコミュニケーション取れていないみたいなんだよね」
という話です。
一時期の採用控えの影響からか、すぐ上の先輩とでも年齢差が開いてしまうという状況は昨今多いようです。
でも、何気ない会話の中で相手のことを知っていくうちに、「お互いに構えていただけ」と気づくことも多いですよね。
僕の会社では「その人のことをよく知る」という想いのもと、社員名鑑なるものを作っています。
内容は、趣味・特技や学生時代のことが書いてあるオーソドックスなものですが、それだけでもコミュニケーションのきっかけになります。
「あれ、○○さん家近いんですね」
「○○君、格闘技やっているんだって? 実は私も…」
というように。
また、日本生産性本部が昨年の秋に新入社員を対象に行った調査結果からは新入社員が職場での関わりを重視していることも伺えます。
「会社の運動会などの親睦行事は、参加したくない」に対して「そう思わない」とする回答が秋の調査では設問開始以来5年連続増加し、過去最高(83.7%)を更新。
担当したい仕事に関して「職場の先輩や他の部門とチームを組んで、成果を分かち合える仕事」を求める回答が、過去最高(78.6%)。
組織として、メンバー同士の円滑なコミュニケーションは必要不可欠です。
しかし、「コミュニケーションをもっととれ」と言うだけでは人は動きません。
それよりもコミュニケーションをとりたくなるような“きっかけ作り”。
それが大切になってくるのではないでしょうか。
(江古田獅子舞)