日記というか、ひとり言。

散歩をしていて、スポーツ見ていて、映画を見ていて、漫画を読んでいて思ったこと。

失敗OK! ~新入社員育成法~

サッカー日本代表、アジアカップ優勝!

本田・長友・長谷部などの主力選手の活躍はもちろん、控えのメンバーが日替わりでヒーローになるという、まさにチーム全体で掴んだ優勝でしたね。

 

そして、就任5ヶ月。準備期間の少なさや中心選手の離脱など、決して万全とは言えないチーム状況の中で結果を出したザッケローニ監督の手腕は「さすが」と言わざるをえないものでした。

ザッケローニ監督の「選手を信頼する事で、結束を強める」というマネジメント姿勢がテレビでクローズアップされることがしばしばあります。

 

ザッケローニ監督はいつも自分に自信をつけさせてくれる」という日本代表の司令塔、本田圭佑選手の言葉からもそんなマネジメント姿勢が伺えます。

その「選手への信頼」を表すエピソードとして、ザッケローニ監督は「失敗をした選手に挽回のチャンスを与えている」ということが挙げられます。

 

信頼しているというメッセージを伝え続けることで、監督の期待に応えたいと選手は思うようになり、その成果のための過程での失敗を受け入れてもらえる風土、挽回できるチャンスがあることで思い切ったプレーができる。

そんな連鎖が、今回の結果につながったのかもしれませんね。

 

ザッケローニ監督のマネジメント手法は企業での組織運営にも十分通ずるところがあるでしょうが、以前、ある企業の教育担当の方からこんな話を伺いました。

「最近は、新人が失敗できるような仕事がない。昔だったら失敗しても上の者が出て行くことで済んだ仕事や、そもそも失敗することを見込んだような仕事があった。

そういう仕事の中で学ぶことが非常に多かった。

しかし、今では競合との競争が厳しくなり、一つの失敗が取り返しのつかないことにもなる。また効率化を進める中で、失敗してもいい仕事なんていうのはほとんどない」

 

たしかに、最近の新入社員の方を見ていると、失敗を嫌う、正解を求める傾向が強くなっているように感じます。それによって、若手社員に求められる積極性も失われてしまっているように思えます。

 

また別に人事の方の話では、研修の場でそのような傾向を感じられることがあったようです。

 ・わからないことがあっても「わからない」と言えず、ネットで調べる

・「やってみたい人」と言っても誰も手が上がらない

というように、「頭が減点方式」になっているとのことでした。

 

失敗体験からの気づきは、人から聞いたことよりも強く記憶に残りますし、失敗しないために新しい方法を考えることにも意味があります。

新入社員にとっても、真剣に取り組んだ上での失敗体験は多くの気づきがあることは言うまでもありません。

 

とは言え、本人も上司も「失敗したくない、失敗してほしくない」と思うことは
もっともなことです。

 

だからこそ、私達は「研修の中だけでも、多くの失敗経験を積んでもらいたい」と考え、下記のポイントを踏まえた新入社員研修の設計を行っています。

・失敗体験を積むこと
・失敗OKというサインを出すこと
・チャレンジすることの重要性に気づきこと

 

新入社員のチャレンジする姿勢は本人のみならず、職場全体の活性化につながります。

チャレンジする姿勢を持ってもらうために「本気で取り組んだ上での失敗は大切」と
いうことを伝え、マナーのロールプレイなどでは、失敗したことを周囲の拍手で受け
入れるということもやっています。

(もちろん、納期遅れなどに対しては厳しき接しますよ)

 

新入社員研修では、基本的なビジネススキルやマナー、社会人としての心構えを学ぶ
ことは重要ですが、その過程の中で多くの失敗経験を積ませることも非常に大切です。

失敗を受け入れてもらうことで、周囲からの信頼・期待を知り、その期待に応えたい
という気持ちも強くなっていくのです。

 

 最後にザッケローニ監督の感動的な言葉を。

「このチームの素晴らしいところは、ベンチスタートの選手が結果を出してくれること。

日本の国民の皆さん、こんな代表チームがあることを誇りに思ってほしい。

本当に素晴らしいチームです。このチームをまた温かい目で見守ってください。」

 

自社の新入社員も、日本代表も暖かい目で見守っていきましょう!

 

(おめでとう!日本代表)
アジアカップ2011