ジャイアンツの賭博問題を発端に、各球団の実態が明るみに出たプロ野球界。
賭博は論外として、“声出しのマネー”なんかも結構叩かれていますが、あれ、処分が難しいですよね。
私も良いことだとは思いません。
でも、高卒で入団してきて、先輩に言われたら「あ、普通のことなんだな」って思ってしまうのは当然のことかなと。
違和感を持ったとしても、まずは場に溶け込むことが重要ですから。
「看板にホームラン当てたら100万円」という世界で生きている人たちにとって、どこまでを常識と捉えたら良いのか。
「夢を与える職業なのに」という声もあります。
でも、「ホームラン賞は“海苔と米の詰め合わせ家族セット”」。
これで夢を与えられるのかと言うと、疑問に思ってしまう。
あ、これマツダスタジアムのリアルですからね。
「野球界の常識は、世間の非常識」。
なんて揶揄されることもしばしば。
でも、これってそんな記事を出している人にも当てはまりますよね。
それに、それを見てヤイヤイ言っている僕らにも当てはまりますよね。
「マスコミの常識は、世間の非常識」。
マスコミ業界の内部をよく知りませんが、ありそうですよね。
「自社の常識は、世間の非常識」。
うん、これありますよね、ありますよね。
前段が長くなってしまいましたが、花粉症の時期。
それは、新人受け入れの時期でもあります。
「自社の常識は、世間の非常識」。
これがビジネス上は優位性になることもあれば、そうでないことも。
あるんですよね。
人事の方なんかは、新人受け入れのこの時期には、「そうでないこと」を再実感するのではないでしょうか。
新人には、マナーやビジネススキルを徹底して教えた。
でも、、、、
現場の先輩社員、さらには上司までもがそういった基本ができていない。
結果として、染まっていってしまう。。。
もちろん教育を受けた新人も何が良いか、何が常識かなんていうのはわかっているんです。
でも、できていない上司・先輩たちの前で、その学びを体現することが気恥ずかしく感じてしまう。
周囲と同じように振舞う方が楽なんです。
よくあるのが、「挨拶は元気に」と新人研修で学んだけれど、職場では誰も元気に挨拶なんてしていない。
意を決してやってみると「あいつ、浮いてるよね」となってしまう。
(プロ野球界もきっと同じような感覚なんでしょうね。)
研修を企画する人事もその現実はわかっているけど、「新人から文化を変えていきたい」「今後のためにも一般常識は学んで欲しい」という想いがあるから、やめられない。
どうすればいいか?
やっぱり、新人だけを変えようとしては駄目なんですよね。
実際に育つ環境を、そこで教える人に自分の振る舞いや先入観。
と言うか甘えですね。
それを見直してもらわないと。
新人研修を行うとともに、その内容を職場の先輩社員にも受講してもらう。
自分自身の見直しになるとともに、何を教えるかという『型』の統一ができる。
組織に『型』ができると、その『型』が人を育てるようになってくれます。
もちろんその『型』を動かすのは人ですが。
逆に、新人が育つ環境を整えずに、入社時期だけ新人教育を行っていても、“栓をしないで風呂のお湯をためる”ようなもの。
当面は良くても、教えられない上司・先輩を生み出すマイナスのスパイラルを止めることはできません。
プロ野球各球団の選手も、まさか“声出しのマネー”が矢面に上げられるなんて思っていなかったでしょう。
「良くないこと」と言う認識がなかったと思うのです。
むしろ、チームを鼓舞するために、良かれと思ってやっていたかもしれない。
それが、あることを契機に炎上してしまった。
企業においても、同じこと。
普通だと思っていることが、空気を読んで良かれと思っていたことが、実はマイナス要因だったなんてことがあるでしょう。
社外取締役などを置いて、ガバナンスを改めるなんてことがブームのように行われています。
それも大事なことです。
でも、もっと身近に、締める部分と締める機会があります。
その機会の1つが新卒受け入れだと、私は考えます。