全社方針や戦略の資料。
各部門の責任者が担当分野の叩き台を作成し、集約してみると50ページ100ページといった、重厚感のある資料になることがしばしば。
練りに練られたものであり、さらにそこから、方針や戦略に対して議論が重ねられることでしょう。
こういった議論、その中身は非常に濃く、重要なものに思えます。
しかし実際には、あまり新しい意見が出てこずに、「なんとなく話した」という感覚で終わってしまうことが多いのではないでしょうか。
その原因を、厳しく言及すると
・全社視点がなく、自分の担当分野以外に言及しない(理解していない)
・自分の担当分野でさえも、他部門にどのような影響があるのか実は理解していない
というものが考えられますが、それを助長しているのが「重厚感のある資料」です。
50ページ100ページ見ていても、全体のつながりが分からなければ、内容も理解しにくいことがあるんですね。
そこで、私たちが経営会議等をファシリテートするときに、よく作成するのが、
1枚戦略書です。
ちょっと中身は見せられないのですが、この写真わかりますか?
例の「50ページ100ページからなる重厚感のある資料」を1枚にまとめ、模造紙大に拡大したものです。
これを見て、グループで、そして全体で今後全社的に何をしていくか、何を辞めるかを話し合ってもらいます。
大事なのは1枚にすること。
1枚にすることで、重要な点のみにフォーカスでき、さらに全体を俯瞰できます。
この全体俯瞰が非常に重要で、これによって個々の戦略のつながりを理解でき、さらに関心の弱かった部分にも目を向けるようになります。
「個々の戦略のつながりを理解でき」というのは、それぞれの部門の前者の中での位置づけが理解できるわけで、結果としてミッションの明確化にもつながるんですね。
そして、「1枚にまとめる」という過程自体が最も重要です。
1枚にまとめようとするとまとまらない。
もし、そうであれば、部分最適の集まりに過ぎない戦略であることがわかります。