日記というか、ひとり言。

散歩をしていて、スポーツ見ていて、映画を見ていて、漫画を読んでいて思ったこと。

「出口」を考えて人を育てる

「君達を人材業界のプロにしようと思っていない。

ビジネスのプロフェッショナルなれるように育てていく。」

 

私が新人の頃、OJTを担当してくれていた上司の言葉です。

何年も前のことですが、入社して初めてのゴールデンウィークを迎える前、ちょうど今時だと思います。

 

嬉しかったですね。

自分のことを真剣に考えてくれていると受け止めました。

今でも心に響いている言葉です。

 

某企業の役員会議で、同社のコンセプトを考えている時に「“人材輩出企業”という概念は適切か?」という議論がありました。

肯定的な意見もありながら、一方で「優秀な人材が育つのは良いが、輩出していく必要はないよね。」という意見も。

後者は、もっともな意見ではあるのですが、この意見を持つ方の認識は少しずれていたんですね。

 

コンセプトを決めたあと、それを実現するために具体的に何をするかを考えるのですが、仮に「人材輩出企業」というワードが並んだとしても、「人材を輩出するために何をするか」なんてことは考えないんですね。

「外でも活躍できる人材を育てる」と同時に「優秀な人材が集まり、離れない」ための施策を考えることは言わずもがなです。

 

ましてや、この企業は国内有数の大企業のグループ会社。

グループ内異動により、人材交流を促進し、本人の視野の拡大、組織としてのノウハウ共有、思考のイベベーションを狙うことは当然のことです。

 

また、自分の可能性の幅を限定しない組織にこそ、優秀な人は集まります。

言い換えると、会社の都合だけで社員のことを縛らないことが、逆に会社の発展につながるのです。

 

何より、同じ人材が未来永劫存在し続けると考えての組織運営は危険であることは周知のことでしょう。

むしろ、ある人が外に出ることで、別の人にチャンスが巡ってきます。

 

採用・配置・発掘・育成・選抜・異動・代謝の流れで人事施策を考える人材フローマネジメントで言えば、「代謝」について哲学を持つ企業が少ないと感じます。

終身雇用が数十年続いていた日本ならではのこと言えるかもしれません。

 

Businessman Wheels Suitcase Across Skyline