今更ですが、映画『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』をDVDで鑑賞しました。
林業をテーマにしたこの映画。
大学受験に失敗した主人公が、とある理由で1年間の林業研修プログラムに参加するという青春映画です。
“とある理由”とは「パンフレットに載っていた美少女に会いたい」という非常に軽いもの。
案の定、仕事の大変さから、何度も逃げ出しそうになりますが、パンフレットの女性に惹かれ、そして次第に山の魅力、林業の魅力、その土地の人々の魅力に惹かれていきます。
よくある展開ではありますが、染谷将太の演技力と長澤まさみの可愛らしさ、そして三重県の自然の美しさに魅了された映画でした。
4月も中旬が過ぎ、企業によってはそろそろ新入社員が現場配属される時期でしょうか。
『WOOD JOB!』について「よくある展開」と書きましたが、この主人公のような姿は、多くの企業でも見られる光景ではないでしょうか。
表面的な理由で入社するものの現実とのギャップに気持ちが折れてしまう。
それでも、歯を食いしばって続けているうちに、本当のやりがいを感じ、だんだんと顔つきが変わってくる新人の姿は。
「表面的」と言うと、申し訳ないですが、そういうのが普通だと思うんですね。
会社説明会で伝えられた内容からのワクワク感。
学生時代に抱いていた社会人のキラキラしたイメージ。
島耕作を読んでできた幻想。。。
そういうものって全部が全部「幻想」ではないと思うのですが、社会人になってすぐにはそういう状態にはなれないもの。
5月も過ぎると、そんなイメージと現実とのギャップを感じ、下がってしまうんです。
モチベーションというものが。
もちろん、そのギャップを知るのは重要な経験ではあります。
しかし、ここで言いたいのは、各職場で「山の魅力」「林業の魅力」にあたるものを感じさせているか?ということです。
つまり、仕事のやりがいを。
誤解しないでいただきたいのは、「やりがいを感じる仕事をやらせろ」と言うのではありません。
歯を食いしばって続けているうちに自分で実感するものだと思います。
それは承知の上で、上司や先輩社員に求めたいのは、自分が感じる仕事のやりがいを語ること。
そして、自分がやりがいをもって仕事をしている姿を見せることです。
新人は見ています。
上司や先輩の背中を。
映画『WOOD JOB!』で主人公は厳しい先輩や頑固な職人に囲まれて働きます。
もちろん、林業という仕事自体も厳しいものです。
それでも、主人公がその仕事にだんだんとやりがいを感じるようになるのは、先輩や親方が林業という仕事に誇りを持っていることを感じるから。
「自分がやっている仕事の成果がわかるのは、自分が死んでから」という林業の仕事に。
皆さんの職場ではいかがでしょうか。
仕事の進め方だけでなく、仕事に取り組む姿勢でも新人のお手本となっている上司や先輩はいるでしょうか。
その背中を見て「将来は自分も!」と意欲を高めることもあれば、イヤイヤ仕事をしている周囲の姿に嫌気が差してしまうこともあります。
そして次第に、その雰囲気に染まってしまいます。
「モチベーションなんて自分でどうにかしろ」そういう考え方もあるでしょうが、周囲が与える影響は思いのほか大きいものです。
そして、社会人スタートのこの時期は雛鳥のようなもの。
日々目にする先輩・上司の仕事の姿勢が、彼らの今後のビジネスマンとしての仕事の姿勢を形づくるのです。