「“まじめな不良”を目指すべき、と社内でメッセージしているが、今は“不真面目な優等生”が多すぎる。」
先日ある企業の経営者の方のインタビューで、伺った言葉です。
“まじめな不良”“不真面目な優等生”とあまり聞かない言葉ですが、その経営者の方はこう続けました。
「会社から決められていることだけをやって、自分に対して不真面目。
自分がどこまで納得できるか。納得できたら少しくらい遊んでもいい。
そのくらいの方が下もついてくる。」
「自分がどこまで納得できるか」
大学卒業後、アルバイト経験をもとに起業し、20年で1,300人規模にまで会社を引っ張ってきた、経営者ならでは言葉です。
震災の影響で予測できない事態が次々と起こる中で、方向性を指し示すリーダーの一貫した行動、発言が多くの組織で求められています。
周囲に影響力を持ち、ロールモデルとなるリーダーとなっていくためには、知識やスキルのみならず、どのような状況においてもブレない判断の軸、“確固たる信念”を持つこともまた不可欠です。
これは組織のトップのみならず、中間層においても求められていることでしょう。
上からの指示を下にただ伝えることしか行わないリーダーでは、周囲はついてきません。
たとえ上からの指示であっても、そこに自分自身が納得感を持って伝えているか、その根拠になるのが自己の信念なのです。
コミュニケーションスキルやファシリテートスキルなど、人をまとめるにあたって、スキルやテクニックばかりが注目されがちです。
しかし、本当に人を引き付けるのは、リーダーの“確固たる信念”ではないでしょうか。
「社会生活は日々これ戦い、日々これ苦難。
その時に心が動揺するかしないかは、信念の有無で決まる。」