新入社員諸君、僕の30数年に及ぶビジネスマン生活の個人統計によると、4月の当初は「大きな声で明るい挨拶」だったものが、4月の後半に入る頃には元気が無くなって、ゴールデンウイークを境に先輩たちに染まって元気の無い、ひどい時には不機嫌な朝のスタートになっていく人が多いみたいだね。
元気が無いから朝のスタートが暗いのか、朝のスタートが暗いから元気が無くなるのか・・・。
どっちがどうなんだろうか。
僕は形から入ることも大事だと思うんだよね。
僕の会社で、朝一番早い僕の次に出社するH君の挨拶は「大きな声で明るい挨拶」で、いつも元気づけられているんだ。
うちの社長のFaceBookへの投稿です。
「H君の挨拶は「大きな声で明るい挨拶」で、いつも元気づけられている」とあります。
弊社には元気に挨拶する社員がたくさんいるので、誰のことかはわかりませんが、もしこれが私のことを指しているのだとしたら、とても嬉しい社長の投稿です。
しかし、この投稿に対して社長に一言伝えたいことがあります。
「社長から返ってくる挨拶も同じくらい大きいので、挨拶のしがいがあるんですよ」と。
新人の挨拶に元気がなくなっていく原因は?
朝の元気な「おはようございます」の挨拶に、先輩も上司も刺激を受けていることでしょう。
ハツラツとした会話やハキハキとした返事が、職場に活力を生み、お客様にもより印象を与えます。
どの企業においても「何ができる、できない」に関わらず、こういう“元気さ”が新人に求めることで、新卒採用を続ける理由の一つと言えます。
しかし、冒頭の今野の投稿にもあったように「4月の当初は「大きな声で明るい挨拶」だったものが、4月の後半に入る頃には元気が無くなって」いくことがどの職場でも見られるそうです。
上司側も「今の新人はそれが普通か」と受け入れ、指摘することも少なくなっていきます。
このような新入社員の傾向は、もちろん“世代による傾向”にあると言うのも一理あります。
しかし同時に、新人の挨拶に対する周囲の挨拶が、彼らの挨拶の元気さを減退させてもいることを認識しなければなりません。
「おはようございます!」という元気な挨拶に対して、「ぉはよぅ。」という小さな声が、目も合わせずに返ってくるようでは、張り合いがないものです。
本人が意識せずとも、返ってくる挨拶の声の小ささに同化していってしまいます。
「職場で自分だけが元気な挨拶をしている」ということに違和感を覚える新人もいれば、周囲の挨拶を見て「これくらいでいいのか」と思うこともあるでしょう。
コミュニケーション技法の1つにペーシングというものがあります。
話し方や身振りなどを相手に合わせることで、相手に「この人は自分の気持ちをわかってくれている」「自分に同意している」といった好印象を与えられるというものです。
挨拶のトーンもこれと同じで、元気な挨拶に対して元気な挨拶で返すことは「受け入れている」というメッセージにもなるのです。
元気な挨拶は新人だけのものではありません。
誰がやっても職場に活力を与えてくれます。
そして、元気な挨拶をすることで、自分自身のエネルギーも高まっていきます。
職場活性化の特効薬、それは「挨拶」にあるのかもしれません。
「挨拶は、人間らしく生きるための基本の心である。
親に挨拶の心がないと、それは必ず子供にも表れる。」
野村克也 『野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉』より
(小学校でのドアラの挨拶活動)