2013年度の新入社員は『ロボット掃除機型』。
日本生産性本部が3月26日、春の新入社員の特徴を分析した調査結果を今年も発表し、『ロボット掃除機型』と命名しました。
『ロボット掃除機』とは昨年の流行語大賞にもノミネートされた「ルンバ」など、プログラミングに従い、自走する掃除機の総称です。
2013年度の新入社員は、3年生の就活期間を10月スタートから12月へと、2ヶ月短縮する施策が実施された年であり、効率のよい会社訪問を求められた世代ということが命名の背景だそうです。
さらに、「一見どれも均一的で区別がつきにくいが、部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つ」と、理由づけています。
しかし、効率的である一方で、「段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることもある。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要」とも考察しています。
毎年のことながら、辛口と言うか、皮肉っぽい表現をでもありますが、採用・育成に関わる人が聞くと、「まんざら外れてもいない」と思う方が少なくないのではないでしょうか。
ただ実際は、このような傾向は今だけのものではなく、右も左もわからない若手にとっては当たり前のことと言えます。
その他の年のネーミングを見てみると、表現さえその時代ごとに違えど、意味するところは似たものがあります。
そして一方では、つまずいても起き上がり、どんな環境でも邁進する姿勢を持った新人がいることも確かです。
新人の成長を願うのであれば、期待することが重要です。
人は周囲から期待されるほど、その通りに成長していきます。
人は思い込みの強い生き物で、「君はフットワークの軽いだね」など、言われて嬉しいことは「自分はそういう人間なんだ」と思い込むようになり、それと同じ姿へ近づいていこうとします。
どうやら、脳の海馬という部分が作用しているようですが、占いや血液型診断で「あ、あたってる!」と思うのもこの1つです。
特に、新社会人というわからない時期、新しい環境に置かれた場合は、その傾向が強くなります。
反対に、期待されないで「お前はつまずきに弱い」と言われ続けていると、その言葉通りだと思い込んでしまいます。
結果として、つまずきを恐れるようになってしまい、成長も鈍化してしまうのです。
新人に対しては、成長を期待するあまり、出来ていないことに目が向きがちですが、新人の小さな成功に目を向け、「できている」「うまくいった」ということを伝え、自己認知させることが、成長を加速させます。
そして、「例年の新人よりも吸収力が違うね。まるで『ダイソン』みたいだよ」なんて言われる新人を育てていきましょう!