花粉症がつらい今日この頃です。
企業では、昇進・昇格、異動などがあり、職場も気持ちも何かとバタバタした時期になるかもしれません。
昇進・昇格には評価がつきものですが、目標管理制度を導入する企業が多い中、「なかなか目標の評価が難しい」というお声を多く頂戴します。
「目標の評価が難しい」という話を聞き、実際の目標設定シートを拝見すると、設定した目標が曖昧であることが多くあります。
特にその目標の“達成イメージ”が曖昧であるようです。
たとえば下記のような目標はその代表例です。
「提案力を向上させる」
「スピードアップする」
「ミスを減らす」
「チームワークを大切にする」
「すべての業務に対応し、積極的に取り組み向上を図る」
一見すると目標になっているように思われるのですが、この目標のまま期末を迎えてしまうと大変です。
どれも「どうなったら高い評価が得られるのか」が非常に曖昧なため、 上司の方も評価がつけづらいですし、部下の方も納得感を持ちにくくなってしまいます。
目標を立てるのは部下本人かもしれませんが、評価者である上司の方も目標の設定時に、目標の具体化を促すことが求められます。
「○○君の思う“提案力が高い”ってどんなイメージだろう?」
「スピードアップと言うと、具体的にどのくらいかな?」
「あのときの仕事振りを見ていて思ったんだけど、○○さんならこのくらいの時間で、この業務は完遂できると思うよ。」
というように、どんな状態を臨んでいるのかを、目標設定の段階で明確にすること、上司と部下で共有することが大切です。
ブルームの「期待理論」によると、人が動機付けられる(やる気になる)要因には、下記の4つがあるそうです。
1.どういう結果を出せば良いかが具体的で明確であること
2.何をどうしたときに評価されるかが明確であること
3.「自分の能力内で努力をすれば満足の行く結果が出せる」という自信がもてること
4.期待される結果を出せば、納得のいく報酬が得られることが約束されていること
つまり、目標を明確にする、共有することによって、目標の達成のための行動が促進されることになるということです。
目標を明確にすることによって、個々の目標達成に寄与し、会社の業績も本人の報酬もアップするということが言えます。
上司経験の長い方であれば、「スピードアップと言えばあのレベルだろう」とイメージできるかもしれませんが、部下の方と共有すると、齟齬があることが意外と多いものです。
「わかっているはず」で終わらせず、言葉にまでしっかりと落とし込むことが大切なのです。
当たり前のことですが、組織の目標、個人の目標を明確にすること、つまり目指すべき方向性を明確にできることが優れたリーダーの一要素と言うこと ができるでしょう。