世の中、勘違いは多いものです。
そして、多くの管理職の方が勘違いしていると感じることは、評価者としての役割です。
研修で「評価点の目線合わせをして欲しい」「評価スキルを教えて欲しい」という要望が多いですが、勘違いしているなと感じる瞬間です。
評価者の役割は、誰がA評価で、誰がB評価かを判断することではありません。
部下が「高い評価に値する成果を生み出そう」と思うように働きかけることにあります。
つまり、評価者として意識すべきことは部下一人ひとりの成長やエネルギーの向上であり、その先に業績の向上があるのです。
そして、評価制度は単なる処遇決定のためだけのものではなく、目標達成支援・成長支援のツールなのです。
ここで言うエネルギーとは、やる気や意欲と言い換えられるものです。
もちろん、エネルギーの向上といっても、甘めに高い評価をつけましょうといっているのではありません。
たとえ低い評価だとしても、評価者である上司の働きかけや伝え方でエネルギーを高めることはできます。
・低い評価だとしても、できていることはしっかりと伝える
(「できて当たり前」とは思わない)
・評価には表れていない職場への貢献度を伝える
・長期視点を持っての期待(将来への期待)を伝える
・評価者が支援者としての姿勢を持つ
・本人の考えをしっかりと聞く
など。
ここで挙げたことは、すべて面談時の評価者の姿勢ですが、期中の部下への働きかけも重要です。
日常のタイムリーな叱咤激励が評価の納得度を高め、さらには「見てくれている」という信頼感にもつながります。
もっと言うと、どれだけ評価結果が妥当なものであっても、上司・部下間にこの「見てくれている」という信頼感がなければ、評価結果への納得感は生まれないでしょう。
それがどれだけ高い評価だとしても。
納得感を生むことが目的ではないので、そこだけに囚われる必要はありません。
しかし、部下のエネルギーを高める過程で重要な要素であることは間違いありません。
評価者は育成者であり、支援者であり、部下の代弁者でもあります。
評価スキルや目線合わせにを求める前に、評価者としての自らの姿勢を考えることが大切なことです。