成長とは可能性が広がることです。
成長したことで、可能性が広がることはもちろん。
その過程で視野が広がることもあれば、出会った人によって道が広がることもあります。
できなかったことができるようになり、知らなかったことを知り、見えなかったものが見えるようになる。
それによって「あんなことできたらいいな」「こんな風になれたらいいな」が増えてくる。
具体化してくる、現実のものになってくる。
それが成長だと思います。
仕事を通じて成長する。
大事な姿勢であり、上司や経営者が期待することです。
そして、本人にとっても望むことです。
価値観は多様化していると言われていますが、だからこそ「成長こそが最大の報酬」とも考えられるのが今の時代です。
しかし、ふと感じることがあります。
仕事の経験値が増えれば増えるほど、逆に選択肢が狭まっていないかと。
その会社で、その仕事でできることが増えた。
知っていることも増えた。
しかし、実はそれが、その会社でしか通じないことだった。
組織の暗黙知を知ることは、組織でのスムーズな仕事に繋がります。
しかし、組織の暗黙知に染まってしまうと、柔軟性が失われてしまいます。
暗黙知に染まった個の集まりからは、変化を受け入れられない組織しか生まれません。
本来は可能性が広がるはずの成長なのに、気づくと、その会社でしか仕事ができない人材になってしまう。
転職ができない、それどころか社内で異動すらできないという。
自社の常識だと思っていたことが、実は“社会の非常識”であったということも。
スキル的な話だけではなく、心理的な側面もあります。
新しい仕事を覚えることが億劫になってしまう。
新しい人間関係をどう築けばよいのかわからなくなってしまう。
成長とともにそういった感覚を持ったとしたら。
言葉を選ばずに言うと、それは成長ではなく“慣れ”です。
そういうことにならないように、自分自身の定期点検が必要です。
「本当の意味で、できることが増えているのか?」と自問する。
業種の違う人と会ってみる。
仕事以外のコミュニティに参加する。
自社の常識は、“社会の非常識”。
これ、冗談ではないですから。