「メンバーの成長に対する支援の状況」を可視化する調査結果がリリースされました。
人材育成・組織開発コンサルティングを行うシェイクさんが507部署を対象に実施した調査の結果だそうです。
その考察として、
「人が育つ職場とそうでない職場には、"日々観察し、事実に基づいて褒め、振り返りの機会を設ける"行動の量に、大きな差があることがわかった。」
と書かれていたことに対して、
「へー、すごいことが分かったんだな~」
と斜めな感想を持ってしまった自分。
他にも、部署ごとの違いを数値化していることに、
「かなり個性的(恣意的な)なポイントのつけ方するんだな~」
なんて自分の性格の悪さを感じる一方で、、、
「これは、大事な視点!」と思う箇所がありました。
「『この職場でこれからも成長できると感じている人』」とそうでない人とが、職場で受けている支援の内容を分析したところ、『成長の魅力を伝える(50.7pt差)』『評価している能力を伝える(48.7pt差)』『周囲の期待を伝える(48.3pt差)』などに大きな差が表れ」
という部分。
さらにこの中の、『成長の魅力を伝える』というところです。
「成長」って、いい言葉じゃないですか?
カッコイイじゃないですか?
ワクワクするじゃないですか?
うん、そう思う人もいれば、、、
そう思えない人もいる。
昔、と言っても数年前ですが、ある女性が言ってくれました。
「私、成長ってあまり好きではありません、強制感があるし、プレッシャーです」と。
自分もどちらかというと、「成長」という言葉に対して肯定的なイメージを持っていたので、ものすごく新鮮な言葉でした。
だから、大事だと感じました。
「成長の魅力を伝える」ってことが。
往々にして、「成長」を語る私みたいな人っていうのは、盲目的に「成長」を良いものだとみんなが思っていると捉えています。
「成長するのは当たり前」だと思っている。
「成長の魅力を伝えよう」なんて思っていないんです。
そして、伝えることができなかったりします。
「成長の魅力は何か?」ということを。
「なんで、勉強しないといけないんですか?」という生徒に納得感を与えられない教師がいるように。
映画『ビリギャル』を見て、改めて思ったことが2つあります。
1つは、この「成長の魅力を伝える」ということです。
ストーリーを少し話すと、「学年ビリのギャルが、1年で偏差値40上げて、慶応大学に現役合格した話」です。
もう、コピーそのまんまの説明ですね。
主演、有村架純。
そして、今をときめく吉田洋が母親役です。
伊藤淳史演じる坪田先生の塾では、俗に言う“落ちこぼれ”の生徒を受け入れるという戦略をとっています。
というか、大手予備校に対抗するにはそうするしかなかったみたいですね。
1対1の個別指導です。
とは言え、“落ちこぼれ”と言われるほどの生徒です。
「何で勉強なんかしなきゃいけねぇんだよ!」と思っている人ばかり。
母親に無理やり連れてこられた男子生徒とかね。
そういう人が、ちゃんと塾に来て勉強するようになるんです。
受験がテーマなので、「成長」という言葉は出てきませんが、坪田先生の言葉で自主的に勉強するようになるんです。
先述の「無理やり連れてこられた男子生徒」が勉強するようになったときの、さやか(有村架純)と坪田先生とのやり取りがあります。
「先生、すごいね。どうやって、あいつを勉強するようにしたの?」
「先生がこれまで蓄積してきた知識を総動員して考えたんだ。どうやったら玲司くんが勉強したくなるかなって」
「へー!知識ってすごいね!」
「そう、知識ってすごいんだよ!」
「で、具体的には、なんて言ったの?」
「それはね…」
と、何とももったいぶった書き方ですが、だいたいこんな感じのやり取りだったと思います。
ここで、さやかは気づくんです。
「知識は力だよ」というメッセージに。
そして、勉強することにワクワクするようになる。
もちろん、他にも生徒が前向きに勉強する背景は他にもあります。
個々に対応を変えていることや、常に生徒に対して期待をし続けている坪田先生の姿勢。
生徒の勉強への前向きさが、模試の結果によって気持ちが折れてしまっても、先生は決して見捨てることがありません。
また、一生懸命応援してくれている母親の姿も大きなものでしょう。
ただ、やはり、「学ぶことが自分に意味があることだ」と、入り口で気づかせているところが、とっても大事。
この映画が実話を元にしているというのは、周知のことだと思いますが、坪田先生は指導方法に心理学も活用していたそうです。
「成長の魅力を伝える」
「学ぶことの意味を伝える」
教える人、育てる人が意外と見落としがちであり、一番忘れてはいけないことだと思います。
え?
「映画『ビリギャル』を見て、改めて思ったことが2つ」のもう1つは何かって?
そんなの、決まってるじゃないですか。
「有村架純がかわいい!」ってことですよ!